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■ 第一原発:地下水対策に技術的英知の結集を!

福島第一原発では、約1000個のタンクで汚染水を保管していますが、8月19日、その内の1個から、約300トンの漏水が見つかりました。鉄板をボルトで締めたフランジ方式のタンクのため、底に生じた隙間から、じわじわと地中へ漏れたように思われます(調査中)。原子力規制庁がこれを「レベル3に相当する事故」と評価したため、国際的にも大きな注目を浴びることになりました。
そもそもこの第一発電所は、高台を削って作られたので、1日1000トンの地下水が発生、そのため建屋の周辺に井戸(サブドレン)を堀って水を汲み上げ、海に流していました。しかしその井戸が今回の震災で使えなくなってしまったので、汲みだされなくなった水が建屋に流れ込んで冷却水と混じり、汚染水になっている訳です。その発生量は毎日400トン。いずれは現在準備中のALPS(多核種除去設備)で放射性物質を取り除き、残ったトリチウム対策を施した上で、排出することになりますが、今のところはタンクを増やして保管するので精一杯な状況です。そこに今回の漏水事故が起こりました。
国と東電は抜本対策と緊急対策を計画しています。抜本的には、海側に「金属の遮水壁」を作って海に漏らさない、建屋の周りに「凍土の遮水壁」を作って水を近づけない・漏らさない、そして「サブドレン」を復活させて水を近づけない。これらを1~2年でやり遂げる。緊急的には山側に「地下水バイパス」を作ってくみ出し、流入量を減らす。また建物の周囲に「水ガラスによる地盤改良」を施し、流入量・流出量を減らす。このうち地下水バイパスについては工事が完了し漁協に説明中ですが、総理大臣が説得に当たるべきとの指摘もあります。またフランジ方式を溶接方式に変えていくことも必要です。いずれにしろ、この地下水対策は厄介で困難な問題です。真の抜本対策がやり遂げられるまで、国内外の技術的英知を結集せねばなりません。

(9月1日)
2013.09.20 Fri l 吉田泉だより l top ▲