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■ 電気事業法;電力自由化と最適電源構成の両立を!
6月17日、「電気事業法」改正案が参議院で成立しました。
国際的に割高とされる日本の電気料金を引き下げるため、長年にわたって検討されてきた「電力システム改革」がこれによって一段落することになります。まず来年4月から、事業所向けに続いて家庭向けの電力が自由化されます。つまり電力会社が自由な値段・電源で電力を売り、家庭がそれを選ぶ時代に入ります。さらに2020年からは電力会社から送電部門を分離することにより、発電部門への新規参入を更に促進することになります。こうして戦後60年以上続いた大手9社による地域独占が名実ともに終わります。既存の会社にとっては大変ですが、変化への対応力の見せ所と思います。
一方、政府は「2030年の望ましい電源構成案」もまとめました。安全を前提に、「安定供給・経済性・温暖化対策」の三つを配慮した結果、「LNG火力27%・石炭火力26%・再生エネ22~24%・原子力20~22%・石油火力3%」が最適な比率だとのことです。震災前と比べ、原子力が10%減り、その分再生エネが増えた格好になっています。原子力については、40年ルールを越えて既存の原発を使うことにより、この比率を維持するようです。民主党は40年で廃炉にすることにより「2030年代に原発ゼロ」との方針でしたので、そこは議論になりますが、一方で「即時全廃」という現在支配的な主張が、連立方程式を解くような最適電源論からは出てこないことを、冷静に見る必要もあると思います。
いずれにしろ本格的な電力自由化の時代に入ります。ということは最終的に電源構成を決めるのは、消費者です。原発による安い電気を選ぶ人、高くても再生エネを選ぶ人、その各家庭・各事業所の選択が集積されて全体の構成比が変わってきます。それを政府にとって望ましい比率に持って行くには、固定価格買取りのような補助金制度を使うことになり、財源が必要です。自由化と最適電源構成をいかに両立させるか、大きな課題です。
(6月29日 記)
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