20130115_ph.jpg

■ 福島原発の汚染水対策:サブドレン計画の推進を!
福島第一原発における困難の一つは、毎日300トン発生している汚染水への対応です。今までは、これを浄化してタンクに貯め続けてきましたが、その一方で政府と東電は「(汚染源を)取り除く・(原子炉建屋に地下水を)近づけない・(汚染水を)漏らさない」という三つの方針の下で、抜本対策を講じてきました。この8月25日に福島県漁連によって容認された「サブドレン計画」は、「近づけない」ために大変有効な方法です。
もともと福島第一は地盤を掘り下げて作られたので、原子炉建屋の周りには地下水をくみ上げる井戸がありました。それが津波により使用できなくなったのですが、復活させることによって建屋に流入する地下水を「半分」にすることが出来るのです。
汲み上げた地下水は建屋に入って汚染されるわけではありませんが、一旦処理をし、放射性物質の濃度が基準を下回っていることを確認した上で、海に放出されます。その基準は(セシウムの場合)1リットル当たり1ベクレル(法令上は60~90ベクレル)。海洋汚染や健康影響の心配をしなくてよい規準です。
漁連にとっては風評の問題があるので、交渉は慎重に1年懸かりとなりましたが、今回まとまったのは大きな一歩だと思います。ところが人によっては、この海洋放出をも認めたくないと言ってくる方がいます。確かに放射能は危険ですが、問題は量です。いたずらに怖がることは問題の解決を妨げ、汚染水を溜め込み続けるという別のリスクを発生させることになってしまいます。
原発や放射能の問題では左と右が激しく対立していますが、原発については電力自由化により「消費者が電源を選ぶ時代」がもうすぐ始まります。その言わば「市場の力」により自然に収まるところに収まっていくものと思います。放射能については「全ては量次第」です。善意に基づくとしても、冷静さを欠いた激しい対立は、結局は双方にとってマイナスです。それは放射能だけではなく、すべての政治の論点について言えると思います。
(8月30日 記)
2015.09.15 Tue l 吉田泉だより l top ▲